小林敏明教授の「ライプツィヒの街から 48 パッサージュ」

こんばんわ!モンです

 

昨夜帰り道 桜台駅 付近で突然 雪 が舞ったのをアナタは、ご存知か?

本当の話です!

いつまで続くこの寒波!!!

寒さはもう結構です!

 

さてドイツの小林教授からレポが届きました

今回はドイツでは珍しいパッサージュの話です

 

それでは教授!本日もよろしくお願いいたします。

 

 

ライプツィヒを代表する建物として、前回中央駅を紹介したので、今日はパッサージュを紹介しておきましょう。

パッサージュといってもピンとくる人はあまりいないと思います。

パリに行ったことがある人のなかには、ああ、あれか、という人もいるかもしれません。

というのも、これは18・19世紀のパリの街を象徴する建築だからです。

 

パッサージュとは、もともとフランス語で「通過」「小路」を意味する言葉ですが、パリでは大きな建物の塊りの内部に縦横に造られた、ショーウインドウやカフェなどが並ぶ通り路です。ちなみに、パッサージュとは区別されますが、建物と建物の間を抜けるホーフ(もともとの意味は「中庭」)と呼ばれる空間もやや似た働きをしています。こちらは基本的に屋根はありません。

 

次の写真は、ついこの間まで廃墟になっていて、最近修復された僕の家のすぐ前のホーフです。ここにスーパー、床屋、パン屋、イタリアレストランなどができて、ずいぶんと楽になりました。とくに中東難民の人たちがやっている床屋は速くて安いから重宝してます。さっさと10分で済ませて、10ユーロですからね。

ところでパッサージュが、なぜライプツィヒの「名物」かというと、ドイツの都市でこの様式を町の中心街に取り入れたところはあまりないからです。

 

要するに、ライプツィヒは昔パリかぶれの街だったのですね。古くからフランス系のユグノー派のクリスチャンが入り込んでいましたし、ザクセン公もフランスびいきでした。

 

見栄っ張りで知られるライプツィヒ人には国際商業都市としてのプライドもあったでしょうね。

今回はいくつかあるパッサージュのなかで、もっとも有名なメードラー・パッサージュを紹介します。

まず正面から入ります。といっても、パッサージュに「正面」なるものがあるのかどうかわかりませんが、まあ、面倒だからそういうことにしておきましょう。

入るとすぐに出くわすのが、この像です。これはファウストとメフィストを象ったもので、なぜ、これがこんなところにあるかというと、以前にも紹介したことがあると思いますが、この下にアウエルバッハスケラーという、16世紀から続く老舗のレストランがあるからです。

 

このレストランがどのぐらい有名かというと、ここのコック長の去就は、地元新聞で大学の学長並みの扱いになるほどです。まあ、吉兆の板長が京大総長と並べられるようなものですかね。

 

また、ここが有名になった理由に関しては、聞いたことのある人も結構いるのではないでしょうか。そうです、ブロンズ像が示しているように、この地下レストランの一角がゲーテの『ファウスト』の舞台になっているからです。

 

いまでもその席のある一室は保存されていますが、一般客用には使われなくなってしまいました。20年ほど前は、ちょっと料金が高かったように思いますが、僕も利用したことがあるのですが。

 

というわけで、日本からのお客さんがあると、一度はこのレストランに案内することになっています。たいていのひとは、「これがファウストのね、なるほど、なるほど」などと言って白ワインに豚足などに齧りついて満足して帰るのですが、ご安心ください、『ファウスト』を読んだ人などまずいませんから。

だって、あんな面白くない「名作」はめったにないですよ。ちなみに、料理の方は悪くありません。

レストランの上にあるのが「メフィスト」という名のカフェですが、これはレストランが壁の崩壊とともに新たに開いたもので、レストラン客の落穂拾いをしようとしたものでしょう。

 

唯一のアトラクションは何分かおきに突然壁のなかからメフィストの人形が出てきて、「ガハハハッ!」というような大声をあげて、初めての客を脅かすぐらいです。バカバカしいことこの上もありません。

その他には、この写真に見られるように、高級ブティックや高級品店などが並んでいます。僕は毎日といっていいほどこの前を通っているのですが、中で買っている客をほとんど見たことがありません。どうなってんでしょうね。

他人ごとながら心配になります。

この角もカフェになってますが、雨が降ってもここなら濡れずにすみますから、半分屋外の雰囲気を味わうことができるのがポイントでしょうね。

冬の寒いときでも、ここならまあまあ我慢できそうです。

ここから通路は二つに分かれて、片方はグルメ高級食品店、もう一方は遊歩道になっているぺーター通りに通じます。最後の写真はパッサージュ独特の天井窓です。

というわけで、今回はライプツィヒの「高級シティ・ライフ」をちょっとだけ紹介しました。

 

でも正直なところ、僕なんぞには江古田の商店街のラーメン屋あたりで、手垢に汚れた漫画雑誌でもめくりながら、湯気に煙ってしまった眼鏡をはずして、ズルズルやっている方が、精神的にはずっと「高級」な感じですけど。

 

その意味では、皆さんの方がずいぶんと贅沢を味わっているのかもしれませんよ。

 

 

教授!本日もありがとうございました。

 

江古田のラーメン屋でズルズルもいいですが、精神的に貧しい私にはやはり

ホーフやパッサージュが高級で贅沢に感じられます・・・

 

教授からのメールに「東京は寒いそうですね」とあったので

教授の住むライプツィヒの気温は如何なものかと思い調べてみれば・・・

東京と変わらないじゃありませんか~~~!

 

緯度はライプツィヒの方が高いのに・・・

今年はマジ寒いはずだわ・・・

 

教授またドイツの日常レポ楽しみにしております。

 

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