小林敏明教授の「ライプツィヒの街から 24 オルカーンとは?」

こんばんわ!モンです

 

ドイツの小林教授からレポート届きましたよ!

 

「ザビエルにおびえるドイツ」?はてさて何の事でしょうか?

 

それでは、教授本日もよろしくお願いします!!!

 

 

 

ザビエルにおびえるドイツ

 

ドイツには台風がなくていいなあ、などという人がいますが、こういう人のことを「ノーテンキ」と言います。文字通り天気のことがわかってない人ですね。

 

とんでもない、ドイツにも立派に台風に匹敵する大風があります。オルカーンと言って、アメリカのハリケーンによく似た現象ですが、こちらのは北の方から巨大な低気圧が押し寄せてきて、ドイツのみならず北ヨーロッパ一帯を広範囲に襲います。

 

オルカーンと呼ばれるためには風速は最低でも毎秒30mはなければなりませんから、台風と同じか、それ以上の強さで規模も巨大ですが、幸い頻度は台風ほど多くありません。一年に一度あるかないかぐらいでしょうか。

 

これが今週(教授より2013年11月29日に届いたレポートです注釈モン)北ヨーロッパを襲いました。幸い前もっての警戒態勢が功を奏してか、被害は予想より少なくてすんだようです。

 面白いのはこちらの気象台で、ふだんから高気圧や低気圧にいちいち人の名前を付けるのですが、オルカーンも同じで、今回は「クサヴァ」、語源的にはあの「フランシスコ・ザビエル」の「ザビエル」と同じです。

 

つまり今回北ヨーロッパはザビエルに襲われたのです。この間オルカーンに付けられた名前はエマ、アンドレア、クリスティアンなどと、ごく普通の人名でしたが、妙な名前をつけると、被害もひどくなるような気がしてなりません。

 

というのも2007年の1月18日の巨大オルカーンは「キリル」という名前で、これはアレキサンドリアの聖人「キュリロス」に由来する名前ですが、これが大変でした、僕個人にとっても。

 

この日の午後3時ごろ僕はライプツィヒからベルリンに移る予定だったのですが、オルカーンのため南からの特急列車は到着せず、ライプツィヒから代用列車でした。ところがこの列車が出発早々パンタグラフに故障が生じ、迎えの普通列車を待たなければなりません。これで次の接続駅まで送られ、そこでハレからやってきた急行に乗り換え、そこからベルリンに向かうことになりました(後で知ったことですが、この列車がこの日全ドイツで最後まで動いていた列車だったのです)。

 

ところがこの列車、しばらく走ったかと思うと、デッサオ近くの森の中でピタリと止まってしまいました。車内アナウンスでは、牽引車が故障したため、迎えの機関車が来るまでお待ちくださいとのこと、夕方の5時ごろだったでしょう。

 

その後一向に事態は進展せず、暖房は切れ、トイレは一杯で使用不可能という状態になって、夜はどんどん更けていきます。12時ごろになってようやくまた新しいアナウンスが入り、じつは列車の前後の倒木が邪魔をして迎えの列車も来ることができないため、今地元の救助隊(消防団)がこちらに向かっているという話です。何だそれは!ですよ。

 

3時ごろ、寒さに凍えながら外に目をやっていると、木々の間に突然サーチライトが灯り、救助隊が電気のこぎりの音を響かせながら列車までの道を切り開いています。その作業が1時間ほどして、ようやく乗客全員がマイクロバスなどに乗せられ、地元の小学校の体育館に収容。そのときに初めてわかったのは、体育館までの林道は倒木におおわれ、救助のためにそれらをいちいち伐って道路端に寄せる作業がおこなわれていたのです。救助が遅れるのも無理はありません。

 

収容された体育館ではソーセージとスープ、それにコーヒーなどが用意され、われわれはやっと安堵のため息をついたのでした。だれが言い出したか、われわれを助けてくれた地元の救助隊にお礼のカンパをしようということになって、帽子を回してカンパが集められたころ、今度はブランデンブルク州の警察の管轄となって、そこからパトカーを連ねてポツダムまで大名ドライブ。信号はすべてノーパスです。

 ポツダム駅に着いたのが朝8時、そこからかろうじて動いていたベルリンの郊外電車と地下鉄をつかってようやく家に帰り着いたという次第。いやはや大変でしたよ。2時間ですむところが17時間ほどになったのですから。

 

それでもね、今日本の津波や原発の被害者の人たちのことを思うと、僕などはずいぶんラッキーだったんだなあと思わざるをえませんね、本当に。

 

それにしても、ザビエルとかキリルとか、あまり宗教的な名前を付けると、被害が大きくなるのは、これも地球に対する神様の警告なんでしょうかね。いっそのこと日本でも、これから台風にいちいち名前を付けてみたらどうでしょう。ただしあまり宗教的じゃないのを。

 

「大型台風弁慶に見舞われた東海地方は一夜明けて」とか、「台風ポン太は南海上で熱帯性低気圧に変わり消えてしまいました」とかね。

教授!本日もありがとうございました!

 

2時間が17時間とは、大変貴重な(?)経験を体験しましたねぇ 木々の間からサーチライトと電動のこぎり滅多に体験できるシチュエーションじゃないですよ。

まるで映画ですね。

 

しかし天気図まさにヨーロッパをのみ込む巨大な低気圧、日本で言うところの西高東低、典型的な冬型の気圧配置(等圧線の間隔が狭い)ですね、規模は日本のそれとは比べ物になりませんが。

 

なーんかアメリカにも寒波が襲来しているようで、サンフランシスコで4人凍死!!!

西海岸って暖かいんじゃ・・・太陽フレアの活動が弱まって地球は氷河期に近づいているのではないか?と言う話もあります。

 

地球温暖化なのか氷河期なのか温暖化したから異常気象なのか私には分りませんが

(なんってったってスーパーコンピューターでシュミレートしても分らないんだから)教授の言うとおり「地球(人類)に対する神様からの警告」なのでしょう。

 

教授本日もありがとうございました!

 

そーいえば先日の新聞に「ドイツ観光局」のこんな宣伝が掲載されておりました

次回のレポートも楽しみにいたしております!!!